骨粗鬆症は女性だけの病気ではない 骨粗鬆症の原因 パート① (3)

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は骨強度が低下し、骨折の危険性が増大した状態です。骨強度は骨密度と骨質で決まります。骨密度は柱の本数や太さ、骨質は1本1本の柱の材質や強さと考えてください。骨密度が低下した状態では、柱の本数が少なく、細くなっています(図1)。

図1

また、骨質の低下とは1本1本の柱の材質劣化により強度が低下した状態と言えます(図2)。

図2

骨代謝により新しい骨が作られる

私たちの骨は生まれてからずっと同じではなく常に新しく作り替えられます。古くなった骨を壊し(骨吸収)、新しい骨を作る(骨形成)ことで骨強度が保たれています。これを骨代謝といいます。骨代謝を主に担っているのが、古い骨を壊す破骨細胞と新しい骨を作る骨芽細胞です(図3)。

図3

骨粗鬆症の原因① 女性ホルモンの低下と加齢

骨粗鬆症は一般的に「閉経後骨粗鬆症」と「男性骨粗鬆症」に分類されます。

女性ホルモンは破骨細胞が骨を壊し過ぎないように制御する力があります。閉経後は女性ホルモンの低下により破骨細胞が骨を壊し過ぎることで柱の本数が減り、柱が細くなり、骨密度が低下します。また、加齢による酸化ストレスは破骨細胞による骨破壊を助長するとされています。さらに、加齢による酸化ストレスは1本1本の柱を侵食し材質劣化(骨質低下)を招きます。

よって、骨粗鬆症は閉経後の女性だけでなく、高齢の男性も陥る病態と言えます。

女性だけでなく男性も骨密度健診が重要

骨折してから自分が骨粗鬆症であったことを認識するのでは遅いです。自分の骨強度を知り、骨粗鬆症になる前に予防治療をしていくことが、骨折を経験せず豊かな人生を送れる秘訣だと思います。骨粗鬆症は女性だけの病気ではありません。男性も年齢を重ねれば骨は弱くなります。当院では、女性は50歳以上、男性は60歳以上で骨密度健診を推奨しています。骨密度はX線により10分程度で簡単に測れる検査です。ぜひ、当院で骨密度検査を受けてみてください。

徳島健生病院 整形外科科長 峯田 和明 医師