骨粗鬆症の怖さ~骨折はある日突然やってくる~ (2)

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は骨強度が低下し、骨折の危険性が増大した状態であると定義されています。

骨強度とは

骨強度は骨密度と骨質からなります。図1を見てみると正常な骨は柱の数が多く(骨密度が高い)、1本1本の柱が太い(骨質が良い)のに対し、骨粗鬆症の骨は柱の数が減り(骨密度が低い)、1本1本の柱が細い(骨質が悪い)のが分かります。骨強度の7割を骨密度が担っているため、骨強度の低下は主に骨密度の低下と考えられます。

図1

骨粗鬆症の怖さ

骨粗鬆症で痛みを伴うことはほとんどありません。骨折を起こすまでは自分が骨粗鬆症とは気付かないのです。誰でも不注意で転んだ経験はあると思います。骨粗鬆症の方は、図2のような骨折が軽微な外傷(尻もちなど)または外傷が無くても(重たい荷物を持った、くしゃみをしたなど)起こり得ます。ある日突然、骨折するのです。そして一度骨折を起こすと、次々と骨折を起こすようになります。骨折は連鎖します。

図2

骨折すると元の生活には戻れない

整形外科医として骨折の診療を行っておりますが、骨折した骨は元には戻りません。さらに、骨折患者さんはどんなに費用と労力を使っても元通りの生活には戻れていません。

骨粗鬆症を予防するには

骨折するまで気が付かない骨粗鬆症を予防するには、骨密度を測定して自身の骨の強さを知ることが重要です。骨密度はX線により10分程度で簡単に測定できます。ぜひ、当院の骨密度検査を受けてください。男性は60歳から、女性は50歳からの骨密度測定を推奨しています。

徳島健生病院 整形外科科長 峯田 和明 医師