(13)目の病気と自動車運転

徳島では、ご高齢でも生活の維持のために車運転が必要という方も多くおられます。目の病気で免許更新ができないととても困りますね。

自動車運転普通免許の取得と更新の目の条件は

  1. 「両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上」
  2. 「一眼の視力が0.3に満たない方、若しくは一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上」と定められています。

まずは、裸眼またはメガネやコンタクトレンズできちんと矯正して、両目で 1. の条件がクリアできれば、大丈夫です。片眼が見えない場合、次に 2. にすすみます。よくみえる方の目がみえる範囲(視野)も確保されていれば、更新は可能です。

ただし、視力自体はOKでも、運転危険度が高まる視野障害のある方が気づかないままになる場合があります。事故につながり、ニュースで話題になったように裁判例もいくつかあります。あなたの視野は大丈夫ですか?

視力の問題

年をとると白内障などいろいろな病気で、みえにくくなります。メガネの度数もかわるでしょう。高齢者講習や免許更新前には、余裕をもって、視力を確認しておきましょう。メガネ作成には1週間以上かかります。病気がみつかった場合もすぐに改善できるとはかぎりません。白内障手術も数か月先まで混んでいる場合もあります。なおらない視力低下の病気もあります。

視野の問題

緑内障や眼底出血、網膜色素変性症などでは、視神経の弱りにより、視野が欠けてきます。欠けといっても、はじめは部分的にぼやっとするだけなのでなかなか自覚しにくいのです。上方の欠けでは、運転時、信号に気づきにくく、下方や左右の欠けでは、歩行者の存在や横からの飛び出しに気づきにくいのです。

色覚の問題

通常の色覚異常では、信号は判別できます。非常にまれに、全色盲という全部グレーの濃淡でみえている方では、判別できません。

まぶしさの問題

最近、対向車のライトがまぶしくて運転しづらいという方が増えています。これは上記の目の病気が関与していることもありますが、多くはヘッドライトの問題です。以前に比べ、非常にあかるくなっていること、そして走行時原則はハイビームでロービームはすれ違い灯と推奨されていること(夜道での事故防止のためといわれている)と関連しています。

その他の問題

れていると、実際に注意力の及ぶ視野が狭くなっていたり、とっさの判断、行動につながりにくい場合もあるでしょう。空調で目が乾く(ドライアイ)としょぼしょぼして、しっかり見づらいということもおこります。

ご自分の目の状況や体調、判断能力なども冷静に評価して、安全運転を心がけたいものです。

健生病院 眼科 西内 貴子医師