(7)目の外傷どうする? その2

前回に続き、いろいろな目のけがについてお話ししましょう。

やけどのとき

火炎や花火、湯、はねた油がはいることがあります。皮膚のやけどや黒目白目のやけどでは水ぶくれやびらんがおこります。まつ毛や眉毛だけが燃えて、瞬間に目をつむり、大丈夫なこともありますが、まずはしっかり冷却水で洗い、30分くらい冷やしましょう。まぶたに布に包んだ氷をあてるのも応急処置の一つです。見え方もチェックしましょう。

打撲

転倒

よろけたり、つまづいたりして、家具や床、道路で打った場合は、顔やまぶたの皮下出血がおこり、目があかないくらい紫色にはれることがあります。高齢の方は血管がもろく、血液サラサラ薬などを飲んでいると、派手な出血になりやすいです。ちょうどの角にあたらない限り、眼球は大丈夫なことが多いです。手ですこし目をあけてみて、いつもくらいみえるか、二重にみえないか確認しましょう。みえていれば、翌日受診でも大丈夫です。紫色の皮下出血は黄色くなりながら、1~3週間でひくでしょう。

ただ当たったものが固く、目が各方向に動きにくい場合は目の周りの骨折のことがありますので、当日か翌日くらいには眼科受診しましょう。

打った場所が眉毛外側あたりの場合は、打撲の力が方向的に視神経に影響するので、急激な視力低下がおこります。1日以内の脳内手術が必要な場合がありますので、眼科救急の中でもとくに急ぐものです。

小児では、箸などを持ったままころんで、先が折れて、入ったままのことがあります。単なる打撲のようにみえても皮膚にキズがないか注意が必要です。

スポーツの場面で

接触により、相手の肘や膝があたったり、ゴールにぶつかったりした場合は、強い打撲で骨折がおこることがあります。目の周りの骨は、とくに内壁や下壁は紙のようにうすいため、眼球への圧力でパリンと折れやすいのです。折れた部分にその付近の脂肪や筋肉がはさまると目が動かなくなり、ものが二重にみえるようになってしまいます。挟まり具合で1週間以内くらいに手術が必要となることがあります。

ボールがあたったときは、大きさにより重症度が違います。バスケットボールのように大きなものは、正面からあたったとしても目のまわりの骨で止まるため、眼球への影響は少ないですが、小さなもの(ゴルフボール、ピンポン球、スーパーボール)は眼球を直撃すると、眼内出血や網膜剥離がおこることがあります。早く眼科受診しましょう。

作業の場面で

くぎなどが作業中に跳ね返ってあたったときはスピードも速く、眼内に金属が残ったり、眼球破裂もおこす場合があります。できるだけ早く眼科受診しましょう。

いろいろな場面でのけがについてお話しましたが、いかがでしたか?受傷して心配なときは当院眼科へご連絡ください。

健生病院 眼科 西内 貴子医師