(7)目の外傷どうする? その1

転倒して顔面を打ち、とくに目の周りを紫色にはらした人、庭仕事で木の枝で目をついてしまった人、スポーツの各種ボールが目にあたった人など目に関連する「けが」は重いものから軽いものまで、程度は様々です。今回は、いくつかの場面での対処法などについて、お話ししましょう。

なにか目にはいった!

草取りで土がはいった、風が吹いた時なにかはいった

土や草の破片、飛んできたゴミがはいった可能性があります。こんな時はこすらず、しばらく目をつむり、でてくる涙とともに、目頭側へそっとふきとりましょう。可能なら水道水であらうのもよい方法です。ついていた菌が増殖して、あとで感染症になることもありますので、違和感が残る場合は眼科受診しましょう。

作業中になにかはいった

鉄粉や塗料片、ガラス片の可能性もあります。いったん良くなったように感じても、特に鉄粉は黒目にくっつき、涙の塩分でさびがでてより取れにくくなることがあります。まずの対処法は前項と同じです。

洗剤や漂白剤などがはいった

すぐに水道水で充分あらいましょう。とくに塩素系のものは要注意です。アルカリが眼表面のたんぱく質を溶かすので、失明することもあります。15分以上は流水で洗い流しましょう。初期対応が大切です。そののちに眼科へ連絡しましょう。受診時はその液をもっていきましょう。使用時は眼鏡やゴーグルの装用が安全です。

接着剤がはいった

瞬間接着剤では、乾いたもの同士(まつ毛など)はくっつきますが、目の表面は水分があるので、眼球とまぶたがくっついてしまうということはありません。落ち着いて、あけてみましょう。

電動草刈り機使用の場合

刃があたって石が飛んだように思っても、刃の欠片がかなりのスピードで飛び、黒目を穿通することがあります。使用時は必ず、ゴーグルなどをしておきましょう。

なにかで突いた!

これもよくありますね。突いたものの形状や角度、スピードにより、ダメージが異なります。植物には菌がついていますので、やはり注意が必要です。見え方もチェックしておきましょう。

まぶたが切れた!

転倒時に家具の角にあたったり、眼鏡枠でまぶたが切れることがあります。  しばらく清潔な布で圧迫し、血がとまるのを待ちましょう。顔面やまぶたは小さなキズでも派手な出血がおこります。切れた範囲などを観察し、広かったり、再出血する場合は眼科受診しましょう。きれいにキズをあわせ、縫合が必要な場合もあります。目頭付近の裂傷では、以前お話した、涙道が切れることがあるので、とくにきちんと確認することが必要です。

次回は打撲についてお話します。

健生病院 眼科 西内 貴子医師