大腸CT検査について

 ctangio
当院では2009年より大腸CT検査(仮想内視鏡検査、大腸3D-CT検査)を最新式64列CTを用いて行っています。大腸CT検査は内視鏡を挿入せずにCT撮影を行いコンピューター処理により内視鏡のように腸内を観察する検査です。
大腸CT検査は患者様の抵抗感が少なく受診率アップを期待されている新しい検査です。これはCT装置の精度が飛躍的に向上したため行えるようになった検査です。

大腸CT検査は、ポリープ、癌の有無を調べることが出来、大腸がんのスクリーニング検査としての位置づけを期待されています。

内視鏡検査ではひだの裏など死角がある場合がありますが、大腸CTに死角はありません。但し大腸CTでは平坦な早期癌や非常に小さい病変の発見は大腸内視鏡検査に劣ります。また大腸の組織をとって検査が行えずポリープを切除することはできません。
当院での特徴としてCT室にX線透視装置を常備しているおり大腸の狭窄が疑われる場合などは大腸の拡張状態を確認することができ安全で正確な検査を行うことが可能です 。また写真の炭酸ガス自動注入器(堀井薬品)を導入しより安全で正確な検査が行えるようになりました。この炭酸ガス自動注入器は大腸内の圧力を自動で感知し炭酸ガスを自動でコントロールしながら大腸へ送る装置です。炭酸ガスは空気の130倍大腸からの吸収が早いため検査終了後もすぐに吸収され腹満感が無くなります。

大腸CT検査と内視鏡検査の比較

 

  大腸CT検査  大腸内視鏡検査 
 長所 検査時の苦痛が少ない。
大腸のひだの裏側もよく見える。
大腸狭窄がある場合でも検査が行える。
検査が簡単で、約15分で終了する。 
腫瘍があれば深さの情報がわかる。
大腸以外の腹部情報が得られる。 
ポリープがあった場合そので切除できる。
平坦な腫瘍、5mm以下の小さなポリープを見つけやすい。
粘膜面の色の変化を観察できる。 
 短所 平坦な腫瘍は見つけにくい。
粘膜面の変化がわからない。
5mm以上のポリープ検出率は当院では95%以上あるが5mm以下の場合内視鏡検査に劣る。
その場で治療できない。
前処置で残渣に造影剤が混ざっていないとポリープと区別が難しい時もある。  
内視鏡挿入時苦痛がある場合がある。
大腸のひだの裏側が見えにくい時がある。
狭窄部位があればその部位より奥は観察できない。 



前処置について

前処置に使用する薬品及び食品の説明

コロンフォート 大腸CT用バリウムで便とポリープを識別するために使用
便に色をつけてポリープとの区別をつけるために使用(下図)で白い色が便で灰色が5mmのポリープ 
ラキソベロン 検査前夜に飲む下剤 
 マグコロールP等張液  大腸に水分を吸収されない液体のため飲用するとそのまま排せつされる。大腸洗浄の役目。スポーツドリンクの味
大腸検査食  大腸検査用の消化の良い食品。自費で約1000円前後 
pori-pu 左図は大腸CTの5mmのポリープガストログラフィンによって白く色がついた便ですが、このように便は白ポリープは灰色 で表示されることにより便とポリープの区別が可能となっています。
もし、こんにゃくなどが消化されないで残っているとガストログラフィンが混ざらないのでポリープと間違う可能性があるので検査前日はできるだけ消化の良い食事をお願いします。
下の段のカラー表示ではポリープと便の区別がつきません。






当院で行う前処置は目的などにより3種類の中から選択可能 となっています。

選択は医師と患者様により選択していただきます。

前処置の名称は正式な名称がありますが、院内で職員、患者さまがわかりやすくするため大腸CT1日法、2日法、3日法 としています。 大腸CT2日法(低用量腸管洗浄剤分割飲用法)は当院で開発した新しい前処置で、下剤の飲用量が従来は1800mlであったのに対し,800mlを400ml,400mlの2回に分けて飲用するため従来より楽に引用することが出来ます.その上,大腸の洗浄効果は従来と変わりません。そのため,ポリープの切除を行う際に基準となる5mm以上のポリープ検出率は当院では95%以上と高い検出率となっています。現在では9割以上の受診者がこの前処置を選択されています。


それぞれの特徴
   1日法  2日法(推奨) 3日法 
 前処置日程  検査当日  検査前日  検査3日前
 前処置方法  マグコロールP1800ml飲用(内視鏡検査とほぼ同じ)  検査前日検査食と夜マグコロールP400mlと検査当日400ml  検査3日前から食事のたびにガストログラフィン5ml
 適応  1日ですべて終わらせたい方向け  検査前日から行え前日から検査食を食べれる方(推奨)  水分の摂取が難しい方及び狭窄疑い
 特徴  1日で終わる   前処置が安定してきれい  穏やかな前処置 
 欠点  1800mlを短時間で飲まなければいけない。
 便秘の方は多量の残液が残りやすい。
 普通便より軟らかい方は夜トイレの為に良く起きる。
 検査食を使用するため前日お腹がすきやすい。
 前処置が人により不安定。
 前処置が悪い場合10mm以下のポリープがわかりずらい。


楽な前処置と正確な検査の為に推奨する前処置大腸CT2日法(当院での名称)

  コロンフォート 2日法

検査方法

 1.腸の動きを止める注射を打ちます。
 2.細いカテーテルを肛門に少しだけ挿入します。
 3.炭酸ガスを送気します。
 4.CTで仰向けとうつ伏せの撮影を行います。
 5.大腸の拡張が確認が出来れば撮影終了です。
この間15分ぐらいです。

大腸CT受診者アンケート

2日法における下剤のアンケート結果ではほぼ80%の受診者に許容されました.検査食に関しては味に関しては90%の受診者に許容されました。量に関しては、男性の受診者には少し少なく70%の受診者に許容されました.大腸CT検査自体は、約90%の受診者に苦しくなかった答えていただきました.




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画像診断方法

aze左のような大腸解析専用ソフトを使い0.5mmの厚さの画像約2000枚を使用し上向きを肛門側から盲腸部まで解析していき盲腸部からUターンし肛門側まで解析していくので計2回解析します。これをうつ伏せも行いますので計4回解析しますので見落とすことが非常に少なくなります。

症例

pori4.5mmの小さなポリープもこのようにはっきり写ります。

kasou大腸全体がこのようにきれいにわかります。





kyousakuこのように狭窄があった場合でもその場所から奥の情報もすべてわかります。