大腸CT検査を受けてみませんか?

 徳島健生病院は大腸CT検査を開始してから15年が経過しました。この間に4000名以上の検査を行なっており、大腸CT検査技術施設認定も取得していますので安心して検査を受けていただくことができます。また、多くのポリープ、大腸がんを発見し治療を行ってきました。

大腸CT検査技術施設認定証

 徳島健生病院は県内の他医療機関で大腸内視鏡検査が挿入できない、高齢、苦痛であったなど様々な理由で大腸CT検査の紹介患者を数多く受け入れています。

 しかし、大腸の検査は、怖い、恥ずかしなどの理由で受けたくないと思っている方が多いと思います。その不安は、前処置と検査自身に対する割合が大きいと思っています。

 そこで今回は、少しでも不安が解消され安心して検査を受けていただけるように徳島健生病院での大腸CT検査の前処置と検査の流れについて説明し大腸CT検査が楽に行えるということ、内視鏡検査との違い、当院の検査精度について説明させて頂きます。

目次

前処置について

 大腸内視鏡検査の前処置は1800mlの多量の腸管洗浄剤を飲用します。それに比べ大腸CT検査の前処置は400mlの飲みやすい下剤入り洗浄液を検査前日の夜と検査当日の朝に飲んでいただくだけの簡単で楽な前処置です。前日の昼食と夕食は美味しいと評判の検査食を食べていただきます。

 2023年に行ったアンケートでは、この前処置は73%の受診者が「苦痛なし」と回答しています。「苦痛」であったと回答された受診者は4%しかいません。当院の大腸CT検査は高齢の方、90歳以上の方も多く受診しているので73%の受診者が「苦痛無し」と回答しているのは受容性が高いと思われます。

2023年大腸CT検査前処置苦痛度アンケート(有効回答178名)

 当院の前処置は、多くの学会で発表しており原著論文が学会誌に掲載され、簡単で精度が保証されているため全国に普及してきています。

2022年日本診療放射線技師会誌10月号

検査方法について

  1. 下の写真のように検査用ズボンと検査着に着替えていただき肛門に3mmくらいの細い管を少しだけ入れます。(細い管は女性には看護師が挿入し、お尻は見えないようになっていますので安心して検査を受けてください。)

  2. チューブから空気より腸からの吸収が130倍早い炭酸ガスをゆっくり注入します。少しお腹は張りますが検査後は直後にガスを抜き腸からの吸収が早いので張りはすぐに無くなります。

  3. 上向きとうつ伏せのCT撮影を行います。検査開始から終了までわずか約10分です

 2023年に行ったアンケートでは、大腸CT検査を受けた受診者の80%が「苦痛なし」と回答がありました。「苦痛」であったと回答した受診者はわずか1%しかいません。当院の大腸CT検査は高齢の方、90歳以上の方も検査しているので80%の受診者が「苦痛なし」と回答しているのは受容性が高いと思います。

2023年大腸CT検査時苦痛度アンケート(有効回答178名)

検査時の被ばくは?

 CT装置にAIを搭載しており、被ばく線量の指針、2020年、CT診断参考レベルにおける腹部CTの約3割の低被ばく線量で高画質な撮影を行っています。
(2022年大腸CT検査時における平均CTDIvol:5,78mGy)

 2022年の日本放射線技術学会では大腸CTにおいて下記の演題で被曝低減の演題を発表しましたので被ばくについても心配せずに安心して検査を受けてください。

大腸内視鏡検査との違いは?

大腸CT大腸内視鏡
検査時の苦痛ほぼなし個人差あり
検査手技簡単で10分熟練が必要
大腸のひだの裏側わかりやすいわかりにくい時がある
ポリープ切除出来ない可能である
平坦な腫瘍見つけにくい見つけやすい
6mm以下のポリープ内視鏡検査に劣る見つけやすい
6mm以上のポリープ内視鏡検査と同等大腸CT検査と同等
大腸に狭窄がある場合その部位より奥も観察可能カメラが入らない場合あり
大腸以外の情報腹部全体の情報がある大腸内腔情報のみ

検査精度は?

 2022年日本診療放射線技師会誌10月号の論文から2016年から2022年まで前処置に大腸CT用のバリウムを使用した時の陽性的中率は6mm以上の病変で93%と海外の研究と比較しても同等以上です。

 大腸CT検査でポリープが見つかり、大腸内視鏡検査を受けてポリープを切除すると2度手間になります。 しかし、当院のデータでは大腸CT検査で6mm以上のポリープが見つかり大腸内視鏡検査を受ける割合は13%と少ない割合で多くの方が大腸CT検査のみで検査を終わっています。

大腸の形もわかります

 大腸の形態もはっきりわかりますので、その形、長さなどにより便秘などの便通状態の原因がわかるかもしれません。

長い(便秘気味)
普通
短い(軟便気味)

大腸CT検査を受けるには

 便潜血陽性者及び大腸がんが疑われる方は外来へ、症状がなく大腸CT検査希望の方は健診センターへお越しください。

3割負担の場合約8,000円+検査食1,000円(税込み)
1割負担の場合約2,000円+検査食1,000円(税込み)
健康診断の場合
組合員:25,500円(税込み)
組合員以外:35,700円(税込み)

注)保険適用については、『他の検査で大腸悪性腫瘍が疑われる患者に対して、大腸CT撮影を行った場合に算定する』となっており、他の検査(便潜血陽性、画像検査、腫瘍マーカー上昇など)での結果が必要ですのでご留意ください。大腸内視鏡不到達例は可能です。保険適応が難しい場合は、検診(自費診療)での検査が可能です。

徳島健生病院 放射線科
画像技術部特任部長
X線CT認定技師
大腸CT検査技師
岩野 晃明(Teruaki Iwano)