いろいろな目の手術

 目は小さな組織ですが、生活にとても大切な組織です。外界の情報を得るための「見る」機能の低下はもちろん不快感(かゆみ、痛み、腫れ、なみだ、べたつきなど)も生活に支障をきたします。

 病気の治療法の一つに手術があります。眼科手術は、主に2種類に分けられます。一つは内眼手術といって眼球を切開して中の組織にさわるもの、もう一つは外眼手術といってまぶたや涙道、眼球の外側に対するものです。最近ではどちらも局所麻酔を用いて、手術顕微鏡で拡大して(老眼でも大丈夫)おこなうことがほとんどです。

 内眼手術には、白内障手術、緑内障手術、網膜剥離手術、硝子体手術(糖尿病網膜症関連の増殖膜や大量出血、加齢黄斑症、網膜前膜)などがあります。とくに近年、この分野は技術の進歩がめまぐるしく、より小切開で効果的、安全性も高まった方法となってきました。ただ、術中、術後の合併症、感染症なども注意が必要であり、まだまだ安易に考えすぎてはいけない領域です。当院でおこなっているのは白内障手術のみで、日帰り手術と1泊入院手術と選択可能です。どちらも内容は同じですが、「当日夜に痛みはないだろうか?」「血圧があがらないだろうか?」など、心配な方は入院を希望されています。実際の手術必要時期は進行程度によって、人それぞれです。

 外眼手術には、翼状片(結膜が黒目にかぶさってくる)手術、眼瞼部腫瘍(単なるイボから悪性腫瘍まで)切除術、眼瞼下垂や内反(さかまつげ)手術、麦粒腫(めいぼ)や霰粒腫(いしめいぼ)手術などがあります。これらも見え方や不快さに影響し、適切な時期があり、必要な場合はお勧めしています。

 良好な手術結果は、多くの人の力によるものです。外来での手術前投薬などをしてくれる手術準備者、清潔な手術環境と器具の準備をしてくれる手術場職員、スムースな判断と操作技術をおこなう手術術者や助手、的確な器具を渡す術中介助者、患者の状態を見守る者、術後の状態を観察する者など、いずれがかけてもダメで、それぞれが力を発揮した結果です。

 そしてなにより、中心に居る患者さんが術前点眼もまもり、手術中はリラックスしつつ動かず、手術後は安静や点眼の指示をきちんと守っていただくことが大切です。ご家族の協力が必要な場合もあります。

 今後も当院では、チームワークの力で、患者さんとも充分なコミュニケーションをとり、安寧な状態での手術を目指していきたいと思っています。 

徳島健生病院 眼科 科長 西内貴子