小児から大人の発達障害について
最近よく耳にするようになった発達障害という言葉。
それは、親の育て方や本人の性格の問題ではなく、生まれながらの脳の機能の障害です。外見からは障害と分からず、「わがまま」、「自分勝手」、「空気が読めない」と責められ、大人になってうつなどの精神疾患をもつ方もおられます。そのため、早期に障害に気付き、本人も親も周りの方々も、どうすれば生きやすくなるかを本人目線で考えていく必要があります。
幼少期からの適切な関わりや教育によって子どもの状態は変わります。彼らは自分に正直で、裏表が少なく実直で、たくさんの良さを持っています。その良さに気付けばお互いに幸せに生きていくことができます。
だからこそ、まずは知って下さい。ご自身のこと。ご家族のこと。

①発達障害とは?
表1のように、症状は障害のタイプ(自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如多動症(ADHD)、学習障害(LD))によって大きく異なります。障害が重なる場合もあり知的障害の程度も様々です。
②発達障害の診断
様々な状態を示し、健常者であっても似た状態が現れるため、一回の診察で診断されるものではありません。
当院では、①生育歴、②学校や職場での様子、③本人、家族からの聞き取り(問診)を行い、発達検査なども考慮に入れ、数回の診察ののち診断を行います。
③治療
治療は「治す」のではなく、彼らに合った育て方や教育の仕方をまず親が学ぶこと。そして、理解できる方法で一つ一つ丁寧に教えることが大切です。大人の方には、自分の特性や良さ、困難なことへの対処法について知ること。そして、周囲の人に自身の傾向を理解してもらうことが必要です。例えば、①早朝ウォーキング・山歩き、②料理、③個別課題学習(学び)は、幼児から成人のどの年齢層の人にも心豊かに生きる礎となります。
診察時には、どのような育て方や教育の仕方が必要か、お一人お一人に具体的にお伝えしています。
お気軽にご相談ください。

徳島健生病院 内科・総合診療科 堀内 宏美
●発達外来(要予約) 毎週水曜 午前
※お問い合わせは内科外来まで
徳島健生病院
TEL 088-622-7771(代表)
13:30~17:00(月~金)