手術を受けられる方へ
以下に該当する方は、それぞれ詳細をご確認ください。それ以外の方は、お問い合わせください。
陥入爪(さしづめ)
- どんな病気?
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足のおやゆびにおこることがほとんどです。爪が先に行くにしたがって巻きこんだような形になり、爪切りをしたときに爪の端がトゲのように残ってしまい炎症をおこして赤く腫れてきたり、肉芽組織ができてきたりします。10代から年輩の方まで、幅広くみられるもので、トゲのようになっている部分を切るとよくなります。しかし、爪が伸びてくるとまたくいこんで痛みがでてくることが多いので根治手術をした方がよいと思います。
ワイヤーなどで矯正したりする方法もありますが、時間がかかります。手術でなく矯正を希望される方は当院整形外科を受診してください。
- 手術はどんな感じ?
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術後の痛みが少なく、炎症を起こしている状態でも手術可能な「フェノール法」を行います。送信送信おやゆびの付け根に局所麻酔の注射を行います。麻酔が充分効いている事を確認し、爪の巻き込んでしまう部分だけを根元からとってしまい、また生えてくることがないようにフェノール という薬品で処置を行います。
手術の直後は靴がはきにくくなるので、先のあいた大きめのサンダルをはいてきてください。ふつうは局所麻酔で行い、手術時間は1時間くらいの日帰りの手術です。
- 金額は?
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3割負担で5,000円から8,000円程度です(1指)
- 術後に注意することは?
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- 手術直後、麻酔がきれたら少し痛みがでてくるので、早めに痛み止めをのんで下さい。
- 当日は歩きすぎないようにしてください。
- 足をあげているほうが痛みは楽です。
- 手術当日に軟膏も処方しますが軟膏を使うのは数日後からです。
- 次の受診日(術後1から2日)までは手術した足はぬらさないようにしてください。その後は,お風呂でぬれたりしても大丈夫です。
1週間に1回くらい通院必要で、治るまで個人差がありますが、2から4週間くらいで完治します。
そけいヘルニア
- どんな病気?
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下腹部の筋肉や結合組織がゆるんできて、隙間ができ、お腹の中の膜や脂肪腸などが隙間から出てくるためにおこる病気です。ありふれた病気ですが、きちんと治すためには手術が必要です。
- 手術はどんな感じ?
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腰椎麻酔(下半身だけの麻酔)をした上で、下腹部を数センチ切開し、ゆるんだ腹膜の根元をしばります。筋肉や結合組織のゆるみが原因でおこっているため、再発予防のためには補強が必要で、人工の膜(メッシュ)を用いることが多いです。
希望があれば全身麻酔で手術することもあります。
- いつから歩いたり、食事ができるの?
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手術直後から食事ができます。腰椎麻酔の場合は翌日からトイレに歩いて行けます。
- 金額は?
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手術当日の朝10時に入院し、午後から手術としており、2から5日入院の方が多いです。術後は鎮痛剤を使用しますが、術後の痛みがつらい、帰っても身の回りのことがしにくいなどあるようでしたら術後7日程度入院できます。金額は4泊5日の場合、3割負担で8万円程度です。あらかじめ加入する医療保険窓口に申請手続きをしておくことで、支払いが自己負担額限度額までとなり、負担額が軽減される場合があります。自己負担額は所得によって異なります。手続き等については、地域連携 相談室までお声かけ下さい。
- 退院後に注意することは?
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術後しばらくは、体を起こす途中や、立ち上がった時、立ち仕事を続けた時や重たいものを持った時などに痛みがあります。痛みがある時は、出来るだけ無理しないで体をやすめたほうが良いです。3から4週間は重いもの持つ、無理な運動をするなどは控えて下さい。スポーツなども少しずつ再開するのがよいでしょう。腫れがひどくなる、痛みがぶりかえすなどのようなことがあれば受診してください。
腹腔鏡下胆のう摘出
- どんな病気?
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胆のう(肝臓で作られた胆汁をためている袋)に石ができる病気です。よくある症状は、油っこいものを食べたあとにおこる上腹部(みぞおち)から背中にかけての痛みです。無症状の場合や痛みとともに高熱がでる場合など様々です。
付:胆石ができてから長時間たつ場合や胆石が大きい、数が多い、石が胆のう内に充満している場合、胆のう癌のリスクがあると報告されています。 - 手術はどんな感じ?
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全身麻酔で眠った状態にして、おへそのすぐ上を小さく切って開腹します。
ここから腹腔鏡を挿入して、お腹の中の状態を観察したあと、3か所穴を追加して胆のうを取り出します。
胆のうの炎症が強い場合や上腹部の手術をしたことがある場合は開腹手術を行います。 - いつから歩いたり、食事ができるの?
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食事も歩行も手術の翌日の昼か夕くらいにはじめることが多いです。手術して5日目から防水テープを使ってシャワーができます。
- どれくらいで退院出来るの?
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術後3から4日はきずの痛みをやわらげるために、硬膜外カテーテルより鎮痛剤の投与を行いますので、手術日を含め4から5日間入院する方が多いです(最短1泊2日入院としています)。体調や痛みの程度によって、入院期間が少し伸びることがあります。
- 金額は?
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金額は3割負担で16万から17万です。あらかじめ加入する医療保険窓口に申請をしておくことで、支払いが自己負担限度額までとなり、負担額が軽減される場合があります。自己負担額は所得により異なります。手続き等は、地域連携 相談室までお声かけ下さい。
- 退院後に注意することは?
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とくに他の病気がなければ基本的に何を食べても大丈夫です。痛みの原因が除かれたので油ものも食べられます。はじめは便がゆるくなることもあるので、軟便や下痢で支障をきたす場合は、主治医に相談してください。
痔核
- どんな病気?
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便秘が続く、強くいきむ、冷やすなどの不適切な生活習慣がつづくと、痔核(血管のこぶ)ができます。悪化すると出血したり、静脈炎をおこして腫れて痛くなったりします。さらにひどくなると痔核が肛門の外に出てくるようになります。押し込まないと戻らなかったり、出たままになってしまったり、痛みや出血がひどい場合は手術をした方がよいです。
- 手術はどんな感じ?
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腰椎麻酔(下半身だけの麻酔)をした上で、うつぶせになっていただき、痔核を切除します。手術中は全く痛みはありません。
- いつから歩いたり、食事ができるの?
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手術直後から食事は可能です。麻酔がきれたらトイレに歩いていけます。
- どれくらいで退院出来るの?
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手術当日の朝10時に入院し午後から手術としており、2から3日入院の方が多いです。術後は鎮痛剤を使用しますが、術後の痛みがつらい、帰っても身の回りのことがしにくいなどあるようでしたら術後5日程度入院できます。
- 金額は?
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金額は2泊3日入院の場合、3割負担で5万程度(食事代含む)です。1泊2日入院の場合、3割負担で4万程度(食事代含む)です。
- 退院後に注意することは?
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手術後しばらくは排便時に痛みがあったり、滲出液や出血で汚れたりします。お風呂であたためる、ウオシュレットを使う、軟膏をぬるなどで症状を和らげるようにします。便がかたくなると出にくくなるので、便をやわらかくする薬なども適宜使用します。きずが治るまでは1から2週間に1回通院が望ましいです。1ヶ月くらいできずが治り、3ヶ月から6ヶ月できずのあとの柔軟性が回復します。 手術後も便秘が続く、強くいきむ、冷やすなどの不適切な生活習慣が続くと残った粘膜から痔ができてくることがありますので、肛門にやさしい生活をこころがけてください。
痔瘻
- どんな病気?
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肛門の内側から入り込んだ細菌により肛門のまわりに膿瘍(うみのたまった袋)ができ、これを切開したり、自然にさけて排膿したりしたあとで、皮膚と肛門の内側に瘻孔(あな)ができてしまう病気です。自然によくなることはなく、長年放置すると癌化することもあるので、手術が必要です。
- 手術はどんな感じ?
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腰椎麻酔(下半身だけの麻酔)を行なった上で、瘻孔(あな)を切除します。手術時間は1時間程度です。
- いつから歩いたり、食事ができるの?
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手術終了時から食事ができます。翌日から歩行可能です。
- どれくらいで退院出来るの?
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手術当日の朝10時に入院し午後から手術としており、きずが小さく、術後の痛みもひどくない場合は手術翌日に退院できます。術後は鎮痛剤を使用しますが、術後の痛みがつらい、帰っても身の回りのことがしにくいなどあるようでしたら術後7日程度入院できます。
複雑な瘻孔や深部までひろがった瘻孔の場合は、きずが大きくなることがあり、数日間入院となることもあります。 - 金額は?
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金額は5日入院の場合で7万程度です。2泊3日で5から6万程度です。
- 退院後に注意することは?
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手術後しばらくは排便時に痛みがあったり、滲出液や出血で汚れたりします。お風呂であたためる、ウオシュレットを使う、軟膏をぬるなどで症状を和らげるようにします。便がかたくなると出にくくなるので、便をやわらかくする薬なども適宜使用します。きずが治るまでは 1から2週間に1回通院が望ましいです。
きずの大きさによっては、治るまでに1ヶ月から2ヶ月程度かかることがあります。退院直後から入浴できます。
患者さん用クリニカルパスについて
検査・処置・食事・服薬などの治療や看護ケアなどの標準的なスケジュールを、時系列に沿って一覧にまとめた計画書(スケジュール表)をクリニカルパスといいます。
医療者用
入院期間中のスケジュールを一覧表にしたもので、医師・看護師・コメディカルが使用します。
患者さん用
入院中の予定をわかりやすい言葉やイラストなどを用いてわかりやすく、理解しやすいように工夫して作成した治療計画書です。入院前の手術説明や入院日に看護師よりお渡ししています。
患者さん用クリニカルパスのメリット
患者さん用のクリニカルパスにはスケジュールが詳しく記されています。
「食事はいつ食べられるの?」「お風呂にはいつから?」「おトイレはいつから?」
さまざまな不安でいっぱいになることでしょう。入院中の経過があらかじめわかると次に行われる治療が予測され、安心して入院生活を送ることが出来ます。
また、パスに示される標準的な経過とご自身の経過を比較することにより、患者さん自身で経過が順調であるかも確認ます。
そのため患者さん自身が検査・診療の流れを把握し、主体的に参加できるようになります。