徳島健生病院 脳神経外科医師 藤本 尚己

当院で脳神経外科の診療を行っていることは、まだ十分認識されていない?と思っています。
おそらくどの程度の検査ができるかも知られていないようです。

一般に脳神経外科外来に来られる初診の患者さんの症状で最も多いのは、頭痛、手足のしびれ、ふらつき、耳鳴りなどです。また家族や友人が脳腫瘍・くも膜下出血等をきたし、患者さん自身が不安となり精査目的として受診することもあります。

しかし、どの病院を受診したらよいのかすぐにわからないのが現状です。

大きな病院では、かかりつけ医の紹介状がないと診てもらえませんし、紹介状なしで受診すると特別料金(保険適応外・実費)もかかります。また、検査等が1日で終わることはまずありません。診療予約をし、検査を行い、その結果を聞く、3段階を経ることになります。

当院ではこれを避けるために、紹介状がなくても特別料金を徴収することなく、受診日(来院日)にすべての検査を終え、その説明までするようにしています。それにより症状の軽快する人もいれば、内服等を処方する場合もあります。

当院でも手術を要するような脳腫瘍、脳動脈瘤、脊髄腫瘍、機能的疾患(顔面けいれん、三叉神経痛)等から、頭痛、ふらつき、しびれ、パーキンソン氏病などの加療も積極的におこなっています。もちろん脳卒中の患者さんも診ています。

当院では、脳ドックガイドラインに沿った検査を1日でおこなう脳ドックもおこなっており、その結果を当日説明するようにしています。
ただ、当院では毎日脳神経外科の外来診療をしていません。現在、火・水・金曜日の午前に藤本が、第1・第3木曜日の午後に徳島大学病院脳神経外科医師が診察をしています。

この徳島大学病院医師の診察は十分知られていません。紹介状なしで結構ですし、前述の特別料金も必要ありません。たとえば、徳島大学病院を受診したいのだが予約・紹介状がないというのなら、当院を受診して徳島大学病院医師に診察してもらい、さらに精査が必要なら直接医師から大学病院受診手続きをしてもらうと時間的にはむしろ早くなります。第1・第3木曜日の大学病院医師の診察をうまく活用してもらえたらと考えています。

主たる検査であるMRIの検査時間が、当院では長くなる可能性があります。そのため当院のMRI機器の性能が悪いと思われている方もいると思いますが、より正確な診断をおこなうため撮影条件をいろいろ変えて検査をおこなうのため、MRI撮影時間および撮影枚数が多くなります。しかし、費用は撮影枚数が少なくても多くても同じ金額なのです。良心的医療をおこなうため、必要なら撮影枚数が多くなっても仕方ないと考えています。

その他、CT検査、脳波、心エコー、頚動脈エコー、3D-CTA等の検査もしており、診断面では決して大きな病院と遜色はありません。むしろ、短時間で必要な検査がおこなえると自負しています。

入院治療としては脳梗塞、脳出血、脳腫瘍の化学療法等がありますが、当院で特記すべきは回復期リハビリテーション病棟です。主に脳卒中後の片麻痺、高次機能障害のリハビリテーションをおこなっています。急性期加療を終え、機能回復のため当院に他の病院から紹介されてきます。

回復期リハビリテーション病棟は決して魔法の病棟ではありません。片麻痺の患者さんすべてが症状も良くなり、回復できるわけではありません。脳出血、脳梗塞の起こった場所、大きさにより、ある程度回復の限界は予想されます。しかし、患者さんに残された回復能力を最大限引き出し、有意義な生活が送れるようにするのが当院の目標であり、これを実践しています。

回復期リハビリテーション病棟は充実しており、看護師、介護士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士、薬剤師、医師がチームでリハビリにあたっています。その結果、私が当初予想していたより良くなることも稀ではありません。その活動は県下の病院の中でトップクラスだと自負しています。

頭痛、めまい、しびれ、ふらつきなどの症状がある方は、ぜひ当院脳神経外科へご相談ください。