徳島健生病院 外科 佐々木清美

全員が手術になるの?

便秘や下痢などの日々の排便にまつわるトラブルを改善するだけで症状がよくなる方も多いです。一時的に症状がひどくなり腫れや出血があるときは飲み薬や塗り薬を用いて症状を和らげます。肛門のかゆみで悩んでいる方も生活習慣の見直しや薬で良くなることが多いです。
患者さんがどれだけ困っているかということと、医師の目からみて手術が必要かどうか、このふたつを勘案して手術するかどうか決めるようにしており、手術を強制することはありません。

どんな時に手術になるの?

内痔核

内痔核(いわゆるいぼ痔)については、排便のたびに痔のこぶがでてきて指でいれないともどらない時や 出たままになっていて異物感やいたみかゆみがある時、たびたび腫れて痛みを繰り返す状態など、手術でないと症状をよくするのが難しいと思われる場合に手術を勧めます。

痔瘻

痔瘻(いわゆるあな痔、つまり 肛門の中と外に道ができて感染を繰り返す病気)は、手術以外によくなる方法はないので手術を勧めます。

裂肛

裂肛(いわゆる切れ痔)だけだとくすりで治療することが多いですが、裂肛を繰り返して肛門が狭くなっている場合は手術を行います。

完全直腸脱

完全直腸脱(直腸が肛門の外に出てきてしまう)は生活に支障をきたすのでほぼ全例手術を勧めます。全身麻酔をおこなって腹腔鏡をもちいて行う手術と 腰椎麻酔で肛門側から行う手術のふたとおりあり、かなりのご高齢の方でも手術で良くなってもらえるようにしています。

手術ってどんな感じ?

完全直腸脱にたいして腹腔鏡で手術を行う以外の肛門手術は、手術当日朝入院していただき、その日の午後に手術をおこなうようにしています。腰椎麻酔を用いて下半身を十分麻酔した上で行うため手術中は全くいたみなありません。また、腰椎麻酔についても、局所麻酔を併用し、非常に細い針をつかって麻酔をしますので、よく言われているような背中の激痛などはありません。手術当日夜から食事再開、術後5時間程度でトイレ歩行可能です。手術の翌日退院される方が多いですが、排便を確認し、痛みが落ち着くまで数日間入院することもできます。

術後はどんな感じ?

退院後すぐから入浴できます。排便の時に痛みがある状態が1から3週間ありますがだんだんと良くなってきます。手術から数日で仕事復帰される方が多いです。土日が休みの方については、木・金と休みをとってもらって手術をして月曜日から仕事にもどるなどされる方もあります。

直腸癌大腸癌とか怖い病気もあるけど大丈夫?

癌の検査もできますのでご相談ください。

診察をうけるのが恥ずかしくていけないんだけど?

火曜日午前、金曜日午前と金曜日16時30分から17時30分は女性医師が診察を行い、手術についても同じ医師が対応します。診察の時も恥ずかしくないようできるだけ配慮します。