傷の目立たない腹腔鏡手術
~良性疾患に対するReduced Port Surgery~
当院での腹腔鏡手術の取り組み
当院では胃がん・大腸がん・虫垂炎・胆のう結石症および胆のう炎・そけい部ヘルニア・腹壁瘢痕ヘルニアなどのさまざまな疾患に対して、腹腔鏡手術を行っています。
手術機器や技術の発展に伴い、近年はより小さな傷で痛みが少なく出血量の少ない手術を安定して提供できるようになってきました。
特にこの直近5年間くらいで起こった変化として、腹腔鏡の傷を減らす手術、減孔式腹腔鏡手術(Reduced Port Surgery)を積極的に取り入れるようになりました。また、腹壁瘢痕ヘルニアに対する最新の手術術式(eTEP Rives-Stoppa+TAR法など)も導入しています。
腹腔鏡手術の傷あとについて
腹腔鏡手術は全国的に気腹法で行われることが多く、内径が5~12mm程度までのポートまたはトロッカーと呼ばれる筒を複数お腹の壁に突っ込んで炭酸ガスでお腹を膨らませてモニターを見ながら手術を行います。良性疾患の腹腔鏡手術として、いわゆる「ラパヘル(そけい部ヘルニア)」「ラパコレ(胆のう)」「ラパアッペ(虫垂)」があります。「生麦・生米・生卵」みたいな語感で「ラパヘル・ラパコレ・ラパアッペ」と言ってみると親しみが湧きませんでしょうか。
この3つの手術は一般的には臍部に12mmポートを挿入して気腹し、ラパヘル・ラパアッペの場合は5mmポートを2本、ラパコレの場合は5mmポートを3本入れて手術します。
減孔式腹腔鏡手術について
できるだけ臍部以外の傷が目立たないように配慮した結果、現在では臍部の傷から2本のポートを挿入し(臍の傷の大きさ
はほとんどかわりません)、他に傷を縫わなくて大丈夫な程度の内径3mmの細径ポートを1つ挿入する方法で手術をおこなっています(TANKO-POP法)。
入院療養期間について
傷が小さくなり、合併症も少なくなってくると、次はできるだけ早く退院してもらおうという流れに全国的になっている気がします。日帰り手術のクリニックなども存在する様です。
当院ではできるだけ安全にかつ快適に過ごしていただくためには、3泊4日は必要と考えています。
手術前日には入院していただき体調を評価し、当日無事に手術を終えたとて、手術翌日に歩いて帰るのはさすがにお辛いだろうと思われるため、その翌日以降に退院を予定しています。
たまに「健生なら1泊2日で帰れる」と聞いてきた、と受診される方がいらっしゃいますが、おそらく手術翌日に早めに帰られた方の伝聞ではなかろうかと思います。
徳島健生病院 外科副科長 美馬 惇