バルーンカイフォプラスティ

  1. TOP
  2. 外来診療の方へ
  3. 診療科目
  4. 整形外科
  5. バルーンカイフォプラスティ

経皮的後弯矯正術(BKP:バルーンカイフォプラスティ)について

脊椎圧迫骨折の新しい治療法「経皮的後弯矯正術(BKP:バルーンカイフォプラスティ)」を行っています。

脊椎圧迫骨折とは

「脊椎圧迫骨折」とは、背骨(脊椎)が、押しつぶされるように変形してしまう骨折です。
脊椎圧迫骨折の主な原因は「骨粗鬆症」です。

錐体の比較画像

どんな時に起こるの?

骨粗鬆症になると、尻もちはもちろん、くしゃみをしたり不用意に重いものを持ち上げたりといった、ちょっとしたきっかけで椎体がつぶれることがあります。
最近の高齢化社会で、非常に増えている骨折です。

脊椎圧迫骨折の症状

骨折した患者様のなかには、痛みを感じない人も多くいますが、およそ3人に1人は、骨折時に激しい痛みを感じるといわれています。痛みは、安静にしていると治まることもありますが、それだけではつぶれた椎体は元の形には戻りません。

つぶれた椎体をそのままほうっておくと、背骨全体のバランスが崩れていき、他の椎体にかかる負担が大きくなります。そのため、背骨がひとつ折れると、1年以内に次の骨折が発生しやすくなります。

脊椎圧迫骨折が及ぼす影響

一般的に、脊椎圧迫骨折を起こして背中が丸くなると、胸を圧迫するために肺活量が減少し、身体全体の機能が低下します。
また、胃も圧迫されるために食欲がなくなります。
痛みのためによく寝れない日々が続くと、気分がふさぎがちになり日常生活における活動量も減ります。
そうなると骨はさらに弱くなり、骨密度はより低下して次の骨折が発生しやすくなり、最終的に「寝たきり」の生活になる危険性が高まります。

日常生活に及ぼす影響画像

脊椎圧迫骨折の治療法

保存的療法

コルセットやギプスを装着し、ベッドの上で安静を保ちます。
また、痛み止めや骨粗鬆症のお薬を服用します。
コルセットを巻いたまま生活をする必要があるため、日常の生活が制限され、長期の入院が必要になることがあります。

外科的療法

手術によって骨を移植したり、金属製のねじや棒で骨を固定します。
手術の際は通常、入院とリハビリが必要になります。

新しい治療法について 経皮的後弯矯正術(BKP:バルーンカイフォプラスティ)

このような、脊椎圧迫骨折によってつぶれてしまった椎体を、骨折前の形に近づけ、椎体を安定させ、痛みをやわらげる治療法です。

皮膚から針を挿入し背骨の骨折部で風船(Balloon)をふくらませ、つぶれた骨をできる限り復元した後、風船によって作られた空洞に骨セメントを詰め曲がった背骨を矯正(後弯形成Kypho Plasty)します。
バルーンカイフォプラスティ(Ballon Kypho Plasty)略して「BKP」と呼ばれています。

手術の方法

全身麻酔をして行います。ベッドにうつぶせに寝た状態で背中を2ヶ所(1cm程度)切開し、手術にはレントゲンの透視装置を使用します。

  • 画像

    1

    背中から針を刺入し、骨折した椎体への細い経路を作ります。そこへ小さな風船のついた器具を入れます。

  • 画像

    2

    椎体の中に入れた風船を徐々に膨らませ、つぶれた骨を持ち上げて、できるだけ骨折前の形に戻します。

  • 画像

    3

    風船を抜くと、椎体内に空間ができます。空間を満たすように、骨セメントを充填します。

  • 画像

    4

    手術は1時間程度で終わり、骨セメントは手術中に固まります。

BKP手術は1990年代にアメリカで開発され、2011年1月から保険診療として特定の施設で行うことが認められた術式です。

期待される効果・特徴
  • 痛みの早期軽減
  • 生活の質(QOL)の向上
  • つぶれた骨を骨折前の形に近づける
  • 短時間の手術(通常、約1時間以内)、入院期間も1週間程度
  • 傷口は1cm程度(背中側に2箇所)
手術の対象となる方

骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折の患者様であり、なおかつ、十分な保存的治療によっても背中の痛みが改善されない方が対象になります。

すべての圧迫骨折に対して施行できるわけではありません。骨折した骨の数や、背骨が大きくつぶれて扁平化してしまっている場合や、神経を圧迫している場合など対象とならない患者様もおられます。

詳しくは担当医師にご相談ください。